マンションのユニットバス入れ替えリフォームとは?工事内容の基本を知ろう
この記事では、マンションでの浴室入れ替えリフォームを説明していきます。
マンションでのユニットバスの入れ替え工事は、私のメインの仕事で数百件の現場を過去にこなしてきています。
そのような経験から工事に関しては、職人さんが請け負う工事費をここでストレートに書いていきますのでぜひ参考に!
ユニットバスと在来浴室(戸建て)の違い
まず、ユニットバスと在来浴室の違いを理解しましょう。
ユニットバスはあらかじめ工場で組み立てられたパーツを現場で組み立てる浴室で、短期間で施工が可能です。
水漏れ防止や防音性能も高く、マンションのリフォームに適しています。
一方で、在来浴室は床や壁をタイルの素材で自由に仕上げられる一方、工事に時間がかかりやすく、マンションよりも戸建て住宅で用いられることが多いです。
また経年劣化による水漏れのリスクは、マンションのユニットバスと比較して増大します。
当然ですがマンションと言えば、ユニットバスの入れ替えがほぼ全体の割合を占めることになります。
戸建てにしても、ユニットバスにするのか、在来浴室工法にするかは、自宅の条件に合った選択をすることがリフォーム成功の鍵となります。
ユニットバスリフォームの一般的な工事内容
ユニットバスのリフォームには、解体、配管の変更、新しいユニットの組み立てなどが含まれます。
通常、まず既存のユニットバスを解体し、配管の位置や状態を確認した後、新しいユニットバスを設置します。
古いユニットバスを解体すれば、ドアー周りの大きさが合わなくなるので、壁を額縁で隠すなどの大工工事もあります。
特にマンションの構造上、ジェットバスやサウンドシステムのようなオプション設備を取り付けする際は、防音対策としての防振部材を取り付けるなどの必要があります。
また古いマンションの場合には、配管の接続部分などの水漏れ対策として必要な部材調達が必要になる場合もあります。
これらをリフォーム業者に確認し、工事内容の確認をして納得して進めましょう。
見積もり時に確認すべきポイント
見積もり内容が、妥当かどうか?
あるいは、工事内容や選んだユニットバスの中味が間違いなく反映されているか?
など金額も含め良く確認して不明な点はリフォーム会社へ尋ねることが大事です!
リフォーム会社選びの注意点
リフォームの見積もりは、複数の会社に依頼し、条件や価格を比較するのがベストです。
ここで特に注意したいのが、会社の信頼性です。
口コミや実際の施工実績を確認し、評判の高い会社に依頼しましょう。
また、マンションのリフォームは戸建てとは異なり、管理規約や近隣住民との関係にも直結するため、マンションリフォームの経験が豊富な会社を選ぶのが賢明です。
保証内容についても十分に確認し、工事後のサポートがしっかりしている会社を選ぶと安心です。
ユニットバスの現地調査前にリフォーム会社へ伝えることは?
通常リフォーム会社へ依頼すると必ず現地の採寸と詳細を確認に訪れます。
ユニットバスは、メーカーの責任施工が基本になるためリフォーム会社の営業もしくは工務担当と一緒にメーカーの工事会社の担当者も採寸に来るはずです。
一番の理由は、メーカーの担当者はユニットバスの商品の細かい寸法や商品自体を熟知しているので、もし入れ替えの新しいユニットバスが、納まらないとなれば一大事なので、保険の意味でリフォーム会社は、メーカーにも声を掛けて現地を訪問します。
ここであなたにして欲しいのは、このような理由からまずどのメーカー品を選んでどんなオプション品を付けたいかなどリフォーム前にあらかた決めておいてリフォーム会社へ見積もり依頼することから始めましょう!
ユニットバスのオプション品選びに迷ったら掃除がし易いお風呂の内装を選ぶ事をおすすめします⇩
この記事では、ユニットバスを新築やリフォームで検討中のあなた カビや汚れを極力見たくないあなたに ユニットバスの組み立て工事を12年経験してきた私が 購入前にユニットバスのこの箇所を見ればカビや汚れに悩まず[…]
見積もりの内訳と隠れた費用を見逃さない方法
見積もりを受け取った際は、詳細な内訳を確認しましょう。
ユニットバスのリフォームでは、解体費、運搬費、諸経費などが追加されることが多いため、見積もりの各項目を細かくチェックします。
特に、最初の見積もりには含まれていない「隠れ費用」が後から追加される場合があるため、「見積もり以外の費用は発生しないか?」とリフォーム会社に確認することが重要です。
それでは、見積もり内容を細かく見て実際の依頼するリフォーム会社が出してくる内容と照らし合わせて見て下さい
工事項目 | 明細 工事内容 | 費用 | 別途工事(別費用) |
ユニットバス商品本体で低~高グレード | 標準装備されている内装品を確認 | 定価で大体97万~256万 例LIXIL1216サイズリノビオ~スパージュ | オプション品は追加費用になる |
既存ユニットバス解体撤去処分 | 古いお風呂の解体と搬出撤去 | 5万~10万 | アスベスト(石綿)を含むお風呂の解体と撤去処分 |
給排水配管やり替え接続 | 新しいお風呂の配管位置に合わせて給排水をやり替える作業 | 3万~5万 | 古いマンションなど排水が鉄管であれば材料費含めて別途になる |
電気配線ダクト接続 | 電気の照明やスイッチ、換気扇との配線と排気ダクトとの接続など | 2万~2万5千 | 2室換気から3室換気にする場合 |
ユニットバス組み立て工事 | 防水パン、壁パネル 浴槽、設備品取り付け仕上げ工事まで | 5万~10万程度(サイズやグレードによる) | ジェットバスやTVなどのオプション品取り付けは別 |
ユニットバス扉周り大工工事 | 新しいお風呂の扉サイズや位置の違いで壁との隙間をうめる額縁大工工事 | 3万~5万(材料費込み) |
扉周りをよりきれいにするための壁クロスも含めた仕上げ工事 |
養生諸経費など | 部屋内や作業場、マンションの共用部などの養生費。工事に必要な副部材費や現場監督の管理費など | おおよそ10万~(交渉の余地あり) | マンション規約で時間制限があり別日に作業をする必要がある場合などやエレベーター無しの手上げ費 |
消費税 | 内税 外税の確認 | 全体の10% |
見積もりの見方で注意点⇩
- ユニットバスのメーカーは、一次卸業者(特約店制度)へ納品するのが基本なので中間マージンが二次以降複数の卸業者が入ることで消費者への最終価格が上乗せされて高くなります。
メーカーのカタログ定価設定が高いのはその為です。
出来ればこの中間業者を少なくできるリフォーム会社やメーカーを探すことがおすすめです。 - 工事費の考え方に、作業をする職人さんの工種別に1日の日当があります。
ユニットバス工は、新築であれば¥18000~¥20000が相場(労務費のみで必要経費は含まない)
リフォームの場合は、日当だけでは割に合わないので、作業項目別に加算されるしくみなのでそれなりに高くなります。 - あなたが直接依頼するリフォーム会社が一番商品や工事代に利益が反映されますのでおおよそトータル金額の35%~40%は上乗せされています。
但しここで注意点ですが、利益率が高めと言えどお客さんとの打ち合わせの回数や手間などそれ以外にアフターが充実されている会社であれば、必要な安心見積もり価格と考えることも必要です・
別途工事相場費用(商品代は別)が発生する場合の主な工事項目は下記表にまとめました
主な別途工事項目 | 内容 詳細 | 費用相場 |
追い炊き工事 | 古い給湯器から追い炊き機能付きにする場合 | 2万~ |
リモコン設置お風呂と台所 | お風呂設置以外にも新たに台所にリモコンを取り付ける場合 | 1万5千~2万 |
換気設備の取替え | 換気機能が落ちてきた場合の新規で交換 | 5千~1万 |
浴室換気乾燥機や給湯器の取替え | 今までの換気のみに加えて煖房乾燥機能付きに交換 | 2万~3万 |
階下への排水接続と埋め戻し工事 | 古い公団住宅に多いユニットバス真下の排水接続作業 | 1万5千~(注:階下の住人さん宅での作業必要) |
床下点検口の設置工事 | 漏水確認やメンテのために設ける点検口 | 3万~(仕上げ工事も含む) |
洗面台の新設取替えや床や壁の張り替え工事など | お風呂交換を機会に洗面台や床、壁の張り替え交換工事 | 作業日数×3万~4万(商品と材料代別) |
マンションのユニットバス工事の流れとスケジュール
ここでは、ユニットバスのリフォーム工事がどのように行なわれるかを知ることで見積もりの内容も自然と確認できるようになります。
工事前の準備と近隣への配慮
マンションリフォームでは、管理組合への申請と近隣住民への挨拶が不可欠です。
特にユニットバス入れ替えのような騒音を伴う工事では、事前の説明が住民との良好な関係を保つ鍵になります。
リフォーム会社にも、工事時間や作業内容について管理組合に報告してもらいましょう。
管理組合のルールに従い、作業時間や音の出る作業のスケジュールを調整することが、トラブル防止に役立ちます。
工事の進行と日数の目安
ユニットバスの入れ替え工事のみなら、通常早くて1日~2日程度が目安ですが、オプション工事として給湯器を新しくするとかついでに洗面周りもきれいにするなどした場合にはさらに数日ほどかかることもあります。
工事内容は、既存のお風呂の解体→配管・下地処理→ユニットバス設置→仕上げとなり、特に配管の状況によっては予定よりも日数がかかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むと安心です。
また、工事が遅延するリスクに備えて、予備日程を確保しておくことも考慮するとよいでしょう。
予備日程の考え方として、お風呂に入れなくても良い夏場を除いた季節がおすすめです。
玄関から洗面所までの養生作業
⇩
ユニットバスの解体工事
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解体搬出
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配管排水のやり替え
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ユニットバスの組み立てと仕上げ工事
同時に電気配線や換気設備の取り付け
換気扇や排水の流れ、給水給湯の試運転をして確認
注意:ここまでで早ければ夕方5時~6時には工事完了
但しオプション工事が多いと夜遅くになるので注意が必要!
注意:コーキングが乾く夜遅くであればお風呂を初日に使用出来るが翌日以降がベスト
2日目
扉周りの額縁大工工事で完了(1日目で完了の場合もある)
注意:新規の給湯器交換工事があれば1日目に同時に進行する場合あり
その場合は、リモコン線の仕込み配線や追い炊き機能があれば配管も仕込まれる
以上が通常のユニットバス工事の流れですが、これ以外に洗面台や床壁の貼り替えがあれば、工事日数が増えます
ユニットバス入れ替え後のチェックポイント
お風呂の入れ替え工事が完了したら、試運転や使い勝手の説明を受け、そして自らキズや不具合が無いかを念入りに確認しましょう!
完了検査での確認項目
工事が完了したら、リフォーム会社の担当者と一緒に防水、配管、設備の機能をチェックします。
具体的には、床の水漏れがないか、シャワーや排水の流れが正常かどうかを確認しましょう。
また、リフォーム中に破損や汚れが発生していないかも確認します。後で発見すると対応が難しくなるため、このタイミングでしっかりチェックすることが重要です。
アフターサービスと保証内容の確認
ユニットバスのリフォーム後は、保証内容を確認しておくことが大切です。
一般的には1年から2年の保証がついていますが、配管や防水に関する保証内容は特に確認しましょう。
工事後に漏水が階下に起きると特にマンションで2階より上に住んでいれば、階下の住人さんに迷惑を掛けます。
その為、リフォーム会社の対応をしっかりと確認しておくことが大事です。
もし心配であれば、リフォーム時に脱衣場の床に漏水が確認できる点検口と万が一の迅速な修理が出来るようにユニットバスの隣接している部屋のどこかにも点検作業口を設けることも検討すれば安心です。
工事後に漏水以外の問題も発生した際、迅速に対応してもらえるか、担当者と相談しておくと良いでしょう!
アフターサービスが充実しているリフォーム会社を選ぶと、リフォーム後も安全に生活を楽しめます。
まとめ:安心してユニットバスリフォームを進めるために
初めてのリフォームで特に水回りのユニットバスの入れ替え工事を検討中のあなた
再度下記の点に注意してリフォーム後の快適なバスタイムが送れるようにしましょう!
●入れ替えたいユニットバスメーカーとオプション品を決めておく
●依頼するリフォーム会社を複数選び相見積もりをして比較する
●この記事に書いた工事内容があなたの場合の工事に当てはめて見積もり内容と金額を確認!
●商品代も含めて金額の差異があれば理由を聞き値引きが出来れば遠慮無く交渉する
●アフター対応が真摯に出来て長期に対応可能な会社かどうかを見極める
これら5点を重点的に確認して納得できれば、あなたのバスタイムは快適に過ごすことが出来ます!