新築に和室を取り入れるべき?これから新築を建てる20代・30代が知っておきたい和室の魅力とデメリット
日本の伝統的な美しさと現代の生活スタイルの融合を目指す新築住宅の計画において、和室を取り入れるかどうかは多くの若い世代にとって迷っているのではないでしょうか?
20代・30代の建築主にとって、和室は単なる一部屋ではなく、家全体の雰囲気や使い勝手に大きな影響を与える要素になります。
和室の魅力とデメリットを深掘りし、最適な選択をするための情報をこの記事で網羅しています。
この記事では、これから新築を建て新たなライフプランを実現しようとするあなたにとって参考になることでしょう
和室の魅力を再確認!
- 日本の伝統美を感じる空間
和室の最大の魅力は、その伝統的な美しさです。
畳の柔らかい質感と自然な色合い、障子や襖の繊細なデザイン、木材を多用した落ち着いた雰囲気は、心を穏やかにしてくれます。
和室は、古くから日本人の心の安らぎの場として愛されてきました。
その美しさは、現代の住宅にも新鮮な風を吹き込み、家全体のデザインに深みを与えています。 - 多目的に使える柔軟性
和室は、その柔軟性でも注目されています。
例えば、ゲストが訪れた際の寝室として、日常の生活では書斎や小休憩のリビングスペースとして、さらに子供の遊び場や勉強スペースなど、用途に応じて簡単に変化させることができます。
畳を敷くだけでなく、座卓や座椅子を配置することで、様々な使い方も可能です。
また、季節によって家具の配置を変えたり、インテリアを工夫したりすることで、年間を通して快適に過ごすことができます。 - 健康に良い空間
和室は健康にも良い影響を与えると言われています。
畳は調湿効果が高く、部屋の湿度を適切に保つことで、カビやダニの発生を抑えることができます。
また、畳のい草の香りにはリラックス効果があり、心地よい空間を作り出します。
自然素材を多く使用しているため、アレルギーのリスクも低く、子供や高齢者にも優しい環境です。
和室のデメリットは何?
- メンテナンスの手間
和室の魅力が多い一方で、メンテナンスの手間も無視できません。
畳は定期的に交換や裏返しが必要であり、障子や襖も破れや汚れが目立つため、こまめな手入れが求められます。
また、畳の掃除は通常のカーペットやフローリングと異なり、専用の掃除機やクリーナーを使用する必要もあります。
これらのメンテナンスにかかる時間やコストを考慮することも重要です。 - 現代的な家具との相性
和室に現代的な家具や家電を配置する際の難しさもデメリットの一つです。
例えば、畳の上に直接重たい家具や家電を置くと畳が傷つくことがあり、専用のマットやカバーを使用する必要があります。
また、洋風のインテリアと和室のデザインを調和させるためには、工夫が必要です。
特に、ソファやベッドなどの大型家具を和室に配置する場合、部屋全体のバランスを考慮しなければなりません。 - 建築コストの増加
和室を設けるためには、洋室に比べて追加のコストがかかることがあります。
畳や障子、襖などの和室特有の建材は、高価になることが多いです。
また、和室の内装や設計には専門的な知識が必要であり、その分の設計費用や施工費用が増加することがあります。
予算管理が厳しい場合、これらのコストをどうするか慎重に検討する必要があります。
和室を取り入れるためのヒント
- 現代風和室のアイデア
伝統的な和室を現代風にアレンジすることで、より使いやすく魅力的な空間にすることができます。
例えば、畳の種類(い草以外の樹脂製畳や和紙畳そして琉球畳など)やデザインを工夫することで、モダンな雰囲気を演出することができます。
また、和室特有の建具(障子の材質の変更など)をガラスや金属を使ったものに変更することで、スタイリッシュな空間を作り出すことも可能です。
現代のライフスタイルに合った和室のデザインアイデアを取り入れることで、より快適な住まいを実現できます。 - 和室と洋室の融合
和室と洋室を融合させた和洋折衷のスタイルもおすすめです。
例えば、リビングと和室を一体化させることで、広々とした開放的な空間を作り出すことができます。
また、和室に畳ベッドや洋風の家具を配置することで、和と洋の良さを兼ね備えた居心地の良い空間を実現することができます。
実際の施工事例やインテリアデザインのアイデアを参考にしながら、自分だけの和洋折衷スタイルを作り上げましょう。 - 専門家に相談する(家を建てる際に設計士やインテリアデザイナーと相談)
和室の設計やインテリアデザインについて専門家に相談することも重要です。
建築士やインテリアデザイナーは、あなたの希望やライフスタイルに合った最適なプランを提案してくれます。
また、実際の施工事例やアドバイスを参考にすることで、具体的なイメージを持ちながら和室の計画を進めることができます。
専門家の意見を取り入れることで、より満足度の高い和室を実現できるでしょう。
新築から20年!和室で過ごして分かったメリット
この記事を書いている私も新築を建てることになり当然のごとく和室間取りのある4LDKの家を新築しました。
あれから20年が経過して和室が無ければ良いなんて一度も考えたことはありません。
そんな私の和室空間がなぜ重宝したかを実体験を交えてお伝えしますのでぜひ参考にしてください!!
新築時に間取りをどのように考えれば良いか?を和室間取りも含めて参考に出来る記事は☟
これから新築を建てようとしているあなた。 間取りこそ生活する上でよ~く考えて決めておく必要があります。 何をどのように間取りを考えたら良いか分からないあなた。 この記事を読めば後悔しないストレスフリーの間取りが実現できます。 もしあ[…]
子育て期間は、父親とのスキンシップに役立つ
タイトルどうり父親は私自身なのでタイトルに書いていますが、子供からすれば、母親でもおじいちゃん、おばあちゃんでも構いません。
何しろ和室でのひと味違う空間が、子供たちと過ごす上で特別な部屋であり時間だからです
子供たちも今では、大きくなりましたが、まだ小さい間は、一緒に川の字に(子供はちなみに2人います)なりながら普段は、2階の洋室で寝ていました。
たまに1階の和室で週末に子供たちと布団を敷いて3人で寝て朝起きるときには、布団を上げるのと同時に、一緒に子供たちを身体ごと布団でくるみながら起す”遊び”で大喜びしていました。
たわいもないことですが、スキンシップで親子関係の良い思い出のために利用していた和室空間が、洋室と違う雰囲気を子供たちも感じ取って期待して一緒に寝てくれていたのだと思います
このような和室の使い方は、お風呂に子供たちと入るのとは又違う特別な空間の使い方です。
子供が大きくなった後は、父親にとっては癒やしの空間に!
今度は、子供たちが大きくなり和室そのものの使用頻度が少なくなったかと言えば決してそうではありません!
和室空間は、他の洋室や子供部屋そして寝室さらには、リビングなどと違い余計な小物や家具(妻の嫁入り道具であるタンスだけはあります)は一切置いていません。
そのような和室ならではの、無駄のないスッキリした空間であればあるほど、居心地が良くなる理由です。
私であれば、仕事で疲れた身体を和室の畳の上にごろんと預けてみたりします。
また色々な考え事や思考の整理をするのに横になって、障子の向こうから見える青空や庭木の緑を眺めながら気持ちが癒やされたりします。
このように畳の上に身体を横たえることで、洋室やリビングのソファーで休むよりもかなりリラックスできます。
もし将来あなたの家に和室空間が無ければ、このような味わい方は出来ないでしょう!
夫婦間での心地よい距離感を保つには、持って来いの間取りになる
和室には、別の意味で現実から逃避することが出来ます。
なぜなら、夫婦も長年一緒に暮らしていると、喧嘩をしてみたりお互い色々な問題でストレスを抱える事が多くなります。
そんなときに、寝室から和室へ寝床を移せば、夫婦が少しの時間でも離れることで落ち着くことも出来ます。
なんなら、和室を利用して家庭内別居も可能で、逆にまんねりから脱却でき、より良い絆が新たに築けるかも知れません!?
和室にメンテナンスが必要か?実際のコストは?
和室の造りは、洋室とは違い、仏間や床の間そして化粧柱をみせる真壁工法さらに”なげし”と言って壁周辺の扉上の高さあたりに化粧モールのような周り飾りなどを取り付けたりします。
このように、通常の洋室のような部屋の作り方よりも、一手間余分に工事や費用がかかります
後々の掃除やメンテを考えるなら、たとえ和室でも作り方を最小限にする和室も可能です
我が家なら、真壁工法で見た目は、和室らしくして床の間や欄間などを作らず、最小限の和室にしています
メンテナンスがかかるとすれば、実際に20年の間にメンテをしたことを上げれば以下の2つです。
- 障子の張り替え1回⇨DIYで障子紙はホームセンターで調達して張り替えしました
- 畳の新調が1回⇨畳屋さんで採寸して既存畳の廃棄含めて¥85,000でした
(我が家は6畳で、熊本産いぐさ畳にしてもらいました)
このようにメンテナンスとしては、1つは、サッシ側の目隠しに障子扉をしていますので、障子の紙は、小さな頃の子供たちに破かれます。
なので放置していると見た目が悪すぎたので7年目くらいに自分で張り替えました。
もう1つは、やはり畳の交換です。
15年目くらいには、畳のささくれが出始めるので掃除に手間がかかります。
極めつけは、愛犬を飼いだして和室の出入りを禁じたとしても、隙をつかれて和室を走り回られることたびたび
結果としてどうにもならないくらい畳の表面がボロボロになり交換を決意!
それ以外の気になる部位としては、③襖の日焼けによる劣化です。
直射日光にダイレクトに当たらなくてもやはり間接的に劣化して色あせてきます。
これは、どうしようもないですが、④化粧見せ柱が経年で色が変色します。
予防策として、①の障子扉を採用せずにリビングや洋室のようにカーテンにすることで障子紙の交換を無縁にできます。
カーテンにする場合は、和室のテイストに合ったカーテンの採用は必須でしょう!
あとは②の畳の交換をより節約しようとすれば、樹脂畳や和紙畳を採用して耐久性を高めることです。
後悔しない為の和室の作り方とは?
和室テイストの部屋造りは、コスパにおいては、純和風を全部満たした部屋でなくても良いと感じます。
費用の掛かる欄間や鴨居の造作や仏間、床の間を作らず、あるいは、よくある真壁つくりの化粧柱をやめて、洋室と同じように石膏ボード貼りにして和室が感じられるクロスを貼るだけでも良いでしょう!
その場合でも忘れてはいけないのは、畳を敷く仕上げです。
リビングとの隣接が良い理由
リビングとの隣あわせで和室を間取りにするパターンはよくあります。
新築の際にやっぱり和室をやめて同じリビングなら広い方が良いと和室を作らない間取りもあります。
和室をリビングの続きに設置したとしても扉をはずしてしまえば、広い空間はつくれますし、空調効率を上げたいなら扉を閉めるだけで可能です。
リビングの隣に和室空間があるだけでちょっとした休憩や冬場ならこたつで一家団らんも出来て、別室扱いの時間の過ごし方も同じ家族の間で可能です。
たまに訪ねてくる祖父や祖母がいれば、和室とリビングの部屋を隔てた隣同士の空間なら、お互い会話も出来てゆっくりとくつろげることでしょう!
小上がりで作るなら6畳は必要
和室を独立した部屋で作らずにリビングの中の和室スペースに3畳くらいで、リビング床より少し高さをあげた和室スペースを間取りで採用する場合もあります
この場合に良くあるのが段差を上げたスペースに引き出し式の収納スペースを設ける造作です。
もちろん収納も確保ができて、ちょっとした腰掛けにも活用出来たりします。
注意が必要なのは、小さな子供がいる場合は、転げ落ちてけがをさせないように気を付ける必要があります。
ここで使い勝手を考えると、もし3畳程度なら、大人が身体を大の字にしたりして休憩するには、少し狭く感じてあまり落ち着けないでしょう。
そして仕切り扉や外部の景色を眺める為の窓がないとより落ち着いて休むことが出来ないかも知れません。
更なる和室感覚を味わうのであれば、3畳より少なくとも6畳程度は必要でしょう。
同時に畳の特徴であるダニや湿気を寄せ付けないためにも窓換気があれば何より効果的です。
まとめ
新築で和室の間取りをつくるかどうかを決める時の目安と考え方は、基本的にはあなたの好みやライフスタイルと合致するかです。
洋風のくらし方しか興味がないのに和室は真逆のテイストになり逆効果です。
この記事で紹介したように、和室を取り入れることで、リラックス効果が期待できて長期的に考えると家族が癒やしを求める場所が必要になれば、必ず和室がその役目を果たしてくれます。
当然客間としての利用価値や夫婦の寝室から時には、別宅(別部屋)が必要になる場合もあるでしょう。
そのような様々な家族の長期に渡るライフステージに高価を発揮するのが和室です。