契約不適合責任の意味を知ることから建物を見るポイントが分る!
簡単に言えば、①あなたがこの建売住宅が気に入って購入を決めたとすれば、新築なのに見た目ですぐに判別できる所に痛んでいるところがあれば、補修して引き渡してもらうのは、当然です。
もし、②住み始めてから、建物に何かしら不具合があるのを、後で気がついて発見したら、これも補修して、元に戻してもらうことも可能です。
これまでと違うのは、③買主のあなたが、購入した建売の住宅に、最初から建物の内外にあったキズや、欠陥であると分るような、不具合があるのを、知っていて、特に何もアクションを起こさずに、放置していたとしても、やはり思い立った時点で、売主である不動産業者や工務店へ補修依頼する事も可能です。
この①~③の一連の不動産売買契約の建物に関する今までなら瑕疵担保責任としていたのが、2020年4月1日以降民法改正により、契約不適合責任に変わりました。
③が特に大きく変わった点です。
要は、建物も高額な商品なのでちゃんと品質が保たれないまま渡されても、買主は、困るのできれいにして商品を渡してねと言うことです。
契約不適合責任はその履行を求める権利なので、あなたは、その請求ができることになります。
上述にも条件がありまして、建売住宅を引き渡されてから、この一連の補修請求などの可能な期限は、10年で時効となります。(注:10年の時効に係わる修補内容などは、建物の根幹に直結するような補修が主になりますので、後で説明します)
特に③の場合、契約書(付帯設備表に記載されるアフター規定や無償対応期間も含む)に記載されている(例えば、屋根瓦が1枚割れてます、や外壁にきずがありますなど)記述内容から外れるアフターついては、有償になります。
なのでアフター対応の中味をよく読んでおかないとあとから無償の補修請求はできませんので、書かれているかいないかは良く注意して内容を確認しましょう!
また、一旦は、痛んでいるところがあるから、”直してね”と購入した不動産業者への連絡をするだけでよくなりました。
そこから5年(5年であっても引き渡しから10年にかかると時効になります)が経過して万が一、補修がされないままとか、せっかく連絡したのに補修請求などをそのまま忘れてしまえば、これも時効になってしまいます。
なので、お互い大人の信頼関係の中であれば、あとからだだもこねられなくなるので注意が必要です。
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絶対覚えておくべきあなたの購入した建物が10年保証される所2つ
①建物を支えるコンクリート基礎部分
②建物の骨組である柱や梁、土台、床、小屋組など
これらは、簡単に言えば、建物が傾いてきたとか、柱などの構造材に何らかの欠陥があって床や壁が歪んできたとかです。
②外壁部
③開口部
こちらは、生活する部屋内などに①~③の施工上とか材料の不具合とかの原因で雨漏りがしてきたとかです。
これらの保証は、すでに書きました、契約不適合責任の保証の中でも、生活の根幹に関わる重大な保証内容になります。
なので10年の間にこのような事象が発生したなら、問答無用で、購入された、不動産会社や工務店、ハウスメーカーへ修理もしくは、損害賠償などの請求をしてください。
ただし、これも新築建売住宅購入時に確認して欲しいのは、保証がされると言っても、当たり前ですが、住宅会社が、保証が出来るように、事前に保証保険会社と契約もしくは、供託金を預けるなどしている場合に限られます。
この証拠となる保険に加入してますよ、とか、供託金をあずけてますよ、とかは、必ずあなたが、建売などの新築を購入する前に、”重要事項説明”とよばれる事前の説明でなされますので良く確認しておいてください!
もし、住宅購入に少しでも不安があれば、宅建資格に関する試験の知識を身につけるだけで、大切な財産になる家の購入の手助けになります。
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完成された建売住宅を買っても良いかを簡単に判断できる建物の内覧方法2つ!
今まで説明してきた、保証を受けられる重要性は、お分かり頂けたと思います。
カンの良いあなたならお気づきだと思いますが、目の前の建物はすでに完成されて、柱や梁って言われても見えないじゃん!と声が聞こえてくるのも承知しております。
まず、大前提にはなりますが、室内に入って点検口があるかないかをまず確認してください!
①床下点検口(浴室前の脱衣場かキッチンの床下収納、両方あればなお良い)
→床下を覗けば、基礎周りのクラックがあるかないか、土台や床組、金物の取り付け状況など腐食が無いかとか、水漏れも配管の状態や外部からの水や雨の侵入があったか無いかの確認もできます。
②天井点検口(2階建てであれば2階部の部屋にあるかないか)
→範囲は限られますが、建物の屋根下が確認できれば屋根の下地状況や外部からの雨水の浸入があったか無いかもわかります。
ただし建物構造により、断熱材とか構造上の理由で確認できない場合もありますが、万が一の疑わしい場合は、点検口から入って断熱材や隠している下地ボードなどめくってでも点検できる余地はあります。
③浴室がユニットバスであれば、浴室の天井点検口
→浴室点検口から見える景色は、柱や梁、取り付け金物や室内天井の上にある隠れている構造材や床下地、木軸や配線、配管などです。
こちらも場合によっては、建物の構造と、耐火上 ボードが上まで伸びていたりで、周りが見えないこともありますので、参考にしてください。
この3カ所以外にも点検口があればそこもチェック。
これらの点検口は、先程説明しました、建物主要な構造部の確認が、ある程度出来るのと、メンテが必要になれば、確認のための原因特定やメンテそのものが出来る場合もあるので必要です。
続いて建物の傾きがあるかないかの確認方法2つです。
①内覧で室内に入ったら、まず部屋の開き扉という扉は全部45度くらいに開けて下さい。
→あとで開けたとびらを順に確認して、扉が少しでも閉まるように戻っていたら、床が傾いている証拠です。
ただし大きな建物の構造に欠陥があると言うより、単に床組の精度が悪い(大工さんの腕や、何らかの下地の施工がきっちり出来ていなかったかとか)だけの場合もありますので全体のドアーの閉まり具合を見て下さい。
②あとは床の傾きの精度を測る簡単な方法は、事前にビー玉を用意して部屋の端に置いてみて転がるかどうかを各部屋で数カ所試しに見てみることです。
→これも、単純に、床組精度の問題やフローリングなど使用材料によって材料精度が悪くて転がることもありますが、絶対NGなのは、端に置いたビー玉がころころ転がるのを目撃したら、この建売は、やめた方が良いです。
最後にこの確認方法は、保証よりも後々のアフター色が濃い確認にはなりますが、事前にあなたが、一番新築の家の中でこだわりのある箇所や設備品を重点的に確認する事です。
たとえば、クロスにこだわりがあれば、ちゃんとめくれや継ぎ目がめだたなく貼られているか?とか、床にこだわりがあれば、キズやへこみ、補修跡が出来ていないか?とか、もしくは、設備品は、ちゃんと動くか?やキズはないか?などです。
これらは、建売と言えども高額な商品を買うあなたが、その住宅会社の建物の完成度や消費者に対する信頼の尺度をある程度は、確認できるからです。
こだわりの部分が住んでから嫌な思いをして、アフターを依頼するときこそ嫌なことはありませんからね。
内覧時に掃除もし易い間取りや家作りになっているかの確認に下記の記事も合わせて参考に!
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参考事例:外壁の雨の進入を防ぐ部位の見方
この写真は、我が家の外壁のコーキング切れの様子です。
これくらい切れ切れに劣化しているのは、この部位だけですが、原因は写真テキストに記入したのが原因です。
なぜ原因が特定できるかは、私も職業柄、外壁も専門に扱って工事にも携わっているのと、自分の家なので、詳細は確認しておりますので。
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建物の専門的な話には、なりますが、コーキングが建物の揺れを吸収できない原因は、1階にサッシがあって、そのまま柱が下の土台部に乗っかっていない状態の不安定な構造になっています。
そのサッシ中央部から2階に伸びている柱の取り付け方法が原因であるのが1つです。
2つめは、その柱の上で外壁材をジョイントしている為に、1階と2階の建物の揺れが、地震などの時に別々の揺れとして動いたことが、亀裂が起きた原因です。
この亀裂を発見したのは、築後10年くらいだったと思いますが、特に補修依頼もしていません。
コーキング切れは、これが原因で直接雨漏りがしてもコーキング自体の復旧の費用が補償されるわけではありません。(とは言え間接原因から雨漏りしたのであれば、無償補修してくれる可能性は十分あります)
なぜかと言えば、コーキングは、劣化するものでメーカーの何らかの保証があるならそれに準じて対応してもらうことも出来ますが、今回の不適合保証では、期待できません。
ちょっと今までの説明でわかりずらいですが、保証の対象になる、雨水の浸入を防止する所は、この外壁で言うと、コーキングや外壁材を貼る工事の前に建物を防水紙で覆う作業があります。
その防水紙を貼る時に施工上の不具合が原因で雨が部屋内に侵入すれば、保証対象になります。
なので私の家のこととは言え、このまま放置しているのは、実際に写真のようなコーキング切れでも雨は、入ってきていないのが理由です。
しかもこの状態で過去に台風や大雨も何回もありましたが、大丈夫なのは、このコーキングをきれいにして逆に塞いでしまう方が危険と判断したためです。
なぜかと言うと、サッシの上で外壁材をジョイントしているために逆にコーキングで塞いでしまうことで、台風の際の強烈な風を伴う風雨がちょっとした隙間から内外の気圧力の差で拾い込んでしまう恐れがあります。
そうするとサッシの上に水が溜まってしまい残留水と一緒にいずれ、サッシ上部のわずかな隙間でもあろうものなら、風雨の強い日に今度は運悪く雨が部屋内へ進入してくる可能性があります。
なのでわざとコーキング切れをそのままの状態で利用して外部側へ水を逃がせるようにしています。
本当なら幅の長いサッシの上部には、施工マニュアルでは、水抜き部材をコーキングと一緒に取り付けると書かれています。
万が一水がサッシ上部に溜まらないように施工をしているのが、普通ですが、このような知識を頭に入れて現場も見て下さい。
我が家のコーキング切れをそのままにしているのは、私の一種の職業病のようなもので、今までの建築や施工の知識からの技です。
(同じようにまねをせず、住宅会社へ普通に修理請求はされることをおすすめします)
少し長くなりましたが、言いたいことは、この事例で紹介したまさしく、サッシ(開口部)と外壁のジョイントが絡む雨水が特に浸入し易い部位が、私の家の場合ありました.
なので、あなたがご購入される建売住宅を外観などから、なんとなくでも良いので建築予備知識から感じていただければと思いご紹介しました。
本来は、このような建築知識や経験が普通の消費者では、建物を見ても中々分らないと思いますので、今後も機会があれば、有益な情報を提供していきたいと思います。
まとめ
建売を購入される場合は、完成品なのでそこに住む時のイメージがし易く、メリットも多いです。
しかし長くそこで暮らすことになるのであれば、建築過程も見れないまま、いきなり購入するにはリスクがあります。
この記事を参考にして、どんな不具合が生じれば、補修や保証の範囲でそのリスクが抑えられるかお分かり頂けたのではないでしょうか?
また、点検の方法や後々定期的に自主点検ができるように、点検口のある家を選んで、建売購入をお考え頂ければ、快適なお家に安心して住むことができます!!
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